ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

通関業者の中の話

少しブログも滞りがちでしたが……

年末にかけて少し重い仕事が舞い込み年明けもしばらくはかかりそうでブログを更新する余裕がありませんでしたが、年も押し迫った本日に今年の振り返りも踏まえて通関業者の内部の話をしてみようと思います。

 

通関営業所の社員の業務分担の話です。

開業当初から、横割り(=分業制)ではなく縦割り(一貫制)で行こうと決めていました。理由は小回りが効くという事、顧客へのレスポンスが早くなるという事、社員のスキルやモチベーションが上げやすいという、幾つかの理由からです。

 

前二つは似たような内容にはなりますが、他の場所で通関業務を経験していた時にその業者の仕組を見て感じたからです。自社においても、遠方での仕事を協力業者にお願いする際に先方の窓口が営業専門で細かい実務の話や、進捗確認ですらなかなか回答がもらえない状況を見て、顧客の視線で捉えた時に分業制は暫くは見合わせようと思いました。

後半の話についてですか、以前著名なビジネス本を読んで感じ入った内容で、分業制に優れた大量生産で作られた椅子よりも、顧客の声を聞き効率的では無いが丹精込めて時間をかけて作られた椅子の方が売れる、というような文節がありました。それは主に造る人間側のモチベーションに焦点を当てた話だった様な気がしますが、実際に自分が仕事をしている上で経験からも理解できる内容のものだったのでそれを取り入れようと思いました。

個人的には、稲盛さんのアメーバ経営と大きく外れてはいない考え方と思います。

中小企業なので少数精鋭、それをモチベーションまで落とし込んでの体制作りでした。

 

同じ事をやっていると飽きが来てしまいます。今は顧客によって分業制にしたり一貫制にしたり、また働く側の雇用形態によって例えばパートなら書類作成専門にするとか、時間にあった働き方で体制を組んでいます。

 

 

長い間同じ顧客を持つと幾つかの問題が表面化します。

良いところは業務が洗練されていくのでルーチンが最小限になり、顧客対応的にも痒いところに手が届く、阿吽の呼吸も生まれて来る所では無いかと思います。顧客側からすると担当者を変えられるのは不安を感じるケースもあるかもしれません。

問題なのはその社員が辞める、又は異動となった時に、同じサービスを次の担当が提供できるかどうか、できるまでにどれだけ時間がかかるか、があります。また担当者が長い間同じ仕事をしていると(一貫制であったとしても)新しい知識が吸収しにくいというのもあります。

 

顧客側からの声として、いつでも提案を待っている、そんな想いを持つ顧客は少なくないのではないでしょうか?顧客担当者も同じ業務を繰り返していると慣れが出てきて「新たに提案する視点」が持てなくなります。中長期的には担当替えは顧客側にもメリットがあると思います。

 

一貫制、分業制、担当顧客、これらを短すぎず一定の期間内でローテーションさせる、これが今年を振り返って得られた反省点です。

 

 

通関業は専門職です。

社員の退職、それに対しての補充があったりすると一時的に戦力が落ちます。そうしないよう業務を属人化ではなく標準化する事が重要です。

また、この業界は社員が退職すると顧客も一緒に付いていくケースを良く見ます。その社員の評価が大変良いためについていくのだと思いますが、もう一つは担当に顧客が付きやすい仕組だからという理由もあるように思います。

企業側としては退職社員に顧客も持っていかれるとたまったもんじゃないのでしょうが、そうならないような体制、仕組みづくりをする必要があります。ただ社員がそれ程までに顧客から評価されていたというのは、一つその社員を評価してあげても良いかもしれませんね。

(私の所のケースではありませんが)

 

 

今年を振り返ると、人の出入り(退職と採用)があったのでそちら方面に注力した一年だった、ように思います。

 

また来年も、使えるような参考になるような情報発信をしていきますので、ご期待ください。

 

来年も宜しくお願い致します。