ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

通関業者への就職:その3

先日通関士試験の合格発表がありました。

 

見事合格された方はこの上ない喜びと将来への想いを馳せ、残念だった方は雪辱を果たす為来年へ向けてのスタートを切る……様々かと思います。

 

通関士試験の合格で人生が変わる方もいらっしゃいますしそのような想いでキャリア設計をして進めらている方もいらっしゃいます。挑戦しがいがある国家資格、やりがいのある仕事かと思います。

 

 

今回は通関現場の採用の中で、応募者側の視点、労働環境、給与面で一般論も踏まえてお話ししてみます。

 

通関士試験と従業者経験

前回もお話ししましたが、試験合格者と長い従業者経験のみのどちらが有利かという話でその時の企業側の状況によるとお話ししました。

 

個人的に思うのは……経験(通関実務)というのは時間をかければ積まれるものですが、試験というのは時間をかけても合格が保証される訳ではありません。ですので個人的には実務経験なくても試験合格者の方が若干有利なのかなとも思います。簡単ではない国家資格、合格者に対しては一定の評価を得られます。

 

試験について、こちらもほんとに個人の主観に過ぎますが、試験へのチャレンジ年数が増えれば増えるほど合格率が下がっていくようにおもいます。試験への高いモチベーションが維持できない。短期の意気込みで挑戦され合格する方は少なくないように思います。

もちろん1科目免除、2科目免除という制度はありますが、その頃までには自分が日常携わっている通関業務へのモチベーションはどうなのか……?と思います。

 

戻りますが、そう言った試験合格はしたが実務力が皆無、という方向けに何かお手伝いができないものかと現在試行錯誤をしているところです……

 

 

②業務内容

意外と思われるかもしれませんが、企業によっては通関士の採用でも任される業務範囲は様々です。

 

その企業が通関業務を分業制で進めているのか、一貫制(自己完結)なのか?という所がポイントです。

 

分業制はどちらかというと件数の取扱いが多い中堅以上大手企業に多く見受けられます。

そこでの通関士の役割は申告書の作成、審査オンリー。大手企業であれば取扱件数の多さから通関実績の量も比例すると思うので幅広い知識を吸収できるかもしれません。

 

一方、一貫制(自己完結)はわりと中小企業や中堅に見受けられます。こちらは、通関実務の他に配送手続きや請求業務等のお客様とのやり取りも一緒に行う割振りとなります。

こちらは実務をやりながらお客様の声を聞けるという事で場合によってはモチベーション向上に繋がります。やはり、お客様から直接感謝されて仕事をするというのは非常に気持ちが良いものです。

 

どちらが良いかというのも自分の仕事への姿勢、価値観等に照らし合わせ判断されるのが宜しいかと思います。

 

 

通関士の社内での待遇

主に給与面です。通関士手当というのは各企業によってもちろん異なります。結構その差は大きいような感覚があります。注意しなければいけないのは総支給額です。手当が高いが基本給が平均以下という事であれば総支給額はそれ程変わりません。

通関士の仕事は物流業の中の一つです。物流業が各業界の中でどれだけ稼げるのか?という観点から言うと凄く稼げると言うわけでもありません。

ただ一般論として社内での評価自体は悪くはないと思うので企業内で比較するなら高めなのかもしれません。

 

 

④労働時間

こちらも様々です。今は働き方改革で残業抑制が強く働く傾向ですが、今まで残業が多かった職場が急に早く帰れるようになると言う事も難しいでしょう。

傾向としてやはりこの業界は残業が多い傾向にあります。何故でしょうか、最近であれば人手不足は挙げられますが、情報の流れについて物流業者は川下にありがちというのもあると思います。会社自体のカラーというのもあるかもしれません。

いずれにせよ今が残業が多かったとしてもこれからは少なくなる流れになっている事は間違いありません。

 

以上、いろんな視点で述べてきました。

 

上記はあくまで経験に基づく主観の話です。ご参考になればと思います。