ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

通関業者への就職:その2

今回は採用の現場の話をします。

 

これは私が採用する際に気にしている点であり、一般論(であろう事)も踏まえて話を進めていきます。

 

 

・まずその時の採用の背景が業務の拡張なのか欠員補充なのか。また現場のスタッフの年齢的な構成からどの年齢層を採用したいか。これらから漠然とした人物像をイメージしておきます。業務拡張なら積極性が求められるかもしれませんし、スタッフ達の平均年齢が低いようならバランス取るために若干高めの年齢の方を採用する可能性も出てきます。

 

・応募者のキャリアの中で輸入と輸出申告の実績がどちらが多いのかまたは偏りがあるのかを観ます。採用側企業が輸入が多く応募者も輸入が得意であれば安心します。逆の場合であれば少し躊躇します。結構偏りがある方が多いように思えます。

 

・他法令の経験。これも意外と重要です。採用側に他法令絡みの通関が全く無いのならば良いのですがそういったケースは少なく、多少なりとも経験があった方が印象は良いでしょう。ポピュラーな食品申請でそれなりのアイテム数の申請の経験があるという事であれば評価は得られます。

 

・特徴的はHSの取扱の経験。例えばアパレル、それに伴う減免税制度の取扱。または食品の申告。機械、化学品なども特徴的です。この取扱の有無に関しての評価は状況によります。会社で欲しいその時に、そのスキルを有している人材であれば真っ先に候補になると思います。

 

・関連業務の経験。これも意外と重要です。通関(申告)だけでなく、フォワーディング、国内陸送、倉庫に関しての幅広い知識を有しているか?観ます。通関士として応募されているのですしそのような関連業務をお願いする事はまず無いと思いますが、本業の申告業務だけの知識ですと前後の業務がわからなければ全体の通関の流れが滞る可能性があります。他業界からの転職組で通関士試験に合格したから応募しました、という方に多いように思います。

 

通関士試験合格者

これについてもその時の会社の状況によります。経験者が欲しい場合、合格者であっても経験がないようなら候補の1番手にはならないかもしれませんし、ベテラン従業員は多数いるが通関士が足りないという事であれば経験よりは合格者が優先されると思います。

 

 

スキル的な話をしてきましたが、面談の会話をしていく中で他の面も見るように心がけています。当たり前といえば当たり前で他の企業の採用の方と同じものです。

 

積極性や協調性、会社に対する貢献意欲、コミュニケーション力、提案力……世に言うビジネスマンには必須の能力ですね。ただそんなに難しい話でもありません。極々一般的な話だと思います。

 

厳しい言い方かもしれませんが通関士や豊富な実務経験者という肩書き以前に会社にとってその人の採用がメリットが無いと受け入れられないのでは無いかと思います。

 

どの企業でもしっかりとそこは観ていると思います。

 

次回は応募する側の視点での話をしようと思います。