ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

通関士の仕事:その1

通関業法上に定義はありますが、あくまで現場視点で話をします。

 

もちろん一つだけでなく彼らの仕事は多岐に渡りますが……現場の管理者から見て新人通関士に期待するまず始めの仕事ですが……

 

書類のチェック、整合性の確認は置いておいて「HSコードを振れる事」まずこれができないと戦力にはなり得ません。

 

試験勉強の過程で、また税関の実務者研修等でコツコツと勉強してベースを固めるしかないのですが、最終的には雨あられのように商品に対してHSコードを振る経験を沢山積む事、これが最も効果的です。

 

これには正確性が必要です。顧客からの通関書類を確認したら100アイテムあったとして、時間がないからと言って適当にコードを振っていくのはあってはならない事です。一つ一つ正確に、商品を確認して、分類に迷ったら解釈を読んだり税関HPの事例集を見たりして確実に分類していく。以前、研修に参加した時講師が言っていたのは「間違えない通関士はよく解説や資料を読み込んでいる」とありました。一見当たり前ですが、その言葉の裏には「彼らの言う事は反論出来ないほど正確で詰めてきている」と言いたいのだなと感じた事があります。

 

もう一つ重要なのは、「ある程度の」スピードですね。こういう事を話をすると通関士を目指している方の夢を壊してしまうかもしれませんが、一件の通関案件にどれだけ時間をかけられるか?という事です。通関業者は民間企業なので効率を求められます。料金を収受する額と申告にかかる時間、バランスが大事です。ベテランでない限り(時にベテランも)正確性とスピードは反比例しがちです。両方を追求していかないといけません。

 

まずは正確性から、だんだんとスピードを求めていく。殆どの企業がOJTなのではないでしょうか?

 

ベテランが早いのは、調べる各種資料がどこにあるか、こういう場合はどの資料を使うか、の判断が早い事。そしてそもそも商品知識を沢山蓄えている事、両方だと思います。

 

今は昔と比べ環境も変わり調べるものも本からネットへと変化し大分調べるのが早くなりました。反面商品が需要の多様化によって今までにない様々な用途の商品が溢れるようになりました。

 

分類というのは、もともと定義付けられている枠組みに当てはめるという事。その定義されてる枠組みに入らない商品も徐々に出てきているという事です。なかなか定型業務にならないようです。でも遠くない将来この分類も定型業務になりAI化されていくのだと思います。

 

今は通関士しかできないこの難しい仕事を誇りを持って取り組んでいく、これが必要ですね。