ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

HSコードについて

通関士の大切な仕事の一つに輸出入商品に対してHSコードを振る作業があります。

 

HSコードとは……

商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号

 

各HSコードには関税率が定められています。また諸条件によって税率の変化もあります。

 

このHSコードの割振りにはある程度の経験は必要ですが慣れればある程度は誰にでもできます。

なぜ大切な作業かというと本来商品ごとに振られるHSコードは決まっているのに間違ったコードに振られてしまったらどいうことになるか……?

 

例えば、ある商品の正しいHSコードの関税率が3%とした場合、何らかの理由でコードを間違えて振ってしまった場合でその関税率が5%であったとします。本来払うべき関税額よりも余計に払ってしまうことになりますね。そう言った場合の過剰に払った関税額の還付手続きというのはある事はあるのですがかなりハードルが高いのです。

逆の場合で、間違って振ってしまったコードの関税率が1%だった場合、本来納付すべき金額よりも少ない時は後程修正申告という手続きで足りない額を納付するのですがそこで業者に対して手続費用を余計に払わなくてはいけない、またその足りない額の大きさによってはペナルティで加算税を支払わなくてはいけない、もし故意にその税率で申告したと思われたら脱税行為となるかもしれない……結構大きな問題です。

 

税関のHPや、関税協会が発行している「輸入関税率表」という本などでHSコードを調べることになります。

税関のHPは便利で調べていくと分類の事例等もアップされており参考になります。

ゼロから調べようとする時、関税率表を初めから見ていくのですが注意しないといけないのは、そこに記載がある単語と、我々が日常使っている単語は同じ意味する言葉の時もあれば違うものを指している事もある、という事です。

 

ですのでいろんな書籍や税関HP内の違うサイトで語句の説明があるのでそこで良く調べないといけません。

 

顧客立場から見ると、それらの仕事は通関業者がすることではありますが、商品の用途や詳しい材質等をしっかりと伝えておかないと通関業者は間違ったコードで申告をしてしまう可能性があります。上記で挙げたように間違ったコードの申告は大変な問題に発展するので注意が必要です。

 

経験則ですが、顧客側の管理として自社商品のアイテムごとにしっかりと関税率を管理されているところとされていないところがあります。

されているところは取扱アイテムが少ないか、商品カテゴリー自体が少ないかというケースが多いようです。

されていないところは取扱アイテムがかなり多い、またリピート商品が少ないというケースが挙げられます。

 

いずれにせよ商品原価に関わる事なので出来る限り商品ごとの関税率は押さえておいた方がベターだと思います。