ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

許可までの時間

輸出入申告をしてから税関から許可をもらうまでの時間についての話です。

 

まず顧客側から通関書類(インボイス、パッキング、BL、資料等)を頂き、書類や商品の内容の確認をします。どのタイミングで書類を頂いても原則申告に入れるのは入港日以降です。納期がギリギリの場合等で先に書類を税関に審査してもらう予備申告制度というものがありますが、許可になるのは入港日以降なのは変わりません。

 

顧客側から見たら通関業者からの質問がひっきりなしに来るようなイメージを持つ方もいらっしゃると思いますが、通関業者内で担当が申告書を作る際に必要な確認事項の為の質問と、税関に申告した後に税関から来る質問の2種類があります。通関業者としてはなるべく税関から質問が来ないように申告書作成する時点で細かく質問を投げてくる担当もいます。申告してから許可になるまでに時間がかかるのは、税関の書類審査(または検査実施)によるものが多いと思います。もちろん通関業者内での理由もあるかとは思います。

 

いかにわかりやすくインボイス等が表記されているか?これも一つのポイントです。税関とはいえ同じ人間です。見えにくい、わかりづらい書類は、内容を理解する所から始まります。色々と補足の記載を業者側で書き込みますがそこで若干のスキル、経験則が活かせます。ただ行きつく先は、わかりやすい書類を作成する事であり、元々のインボイス等の体裁に原因があるという事は少なくないと思います。

 

通関業者は、代理代行業であり、通関書類を自ら編集、加工して使用する事は出来ません。事前に輸入者等から相談があり書類の作成の仕方等のアドバイスはできます。その際にこうした方が見やすい、見えにくいというのを作成時に反映させて、通関時に提出するのは問題ないと思います。もちろん輸出入者双方で合意された売買契約に基づいた記載の内容です。

 

インボイスやパッキングリストは最低限の記載内容は決まっているのですが定まった様式はありません。よく初心者の担当の方と書類の話をしますが、勘違いされる方はいらっしゃいます。最低限の記載内容が決まっている、だけ押さえておけば宜しいかと思います。

 

また輸入に関してはインボイス等は輸出者が作成するので、輸入側としてはわかりづらい書類であってもそのまま通関業者に渡さざるを得ないケースがあると思います。何とか工夫をしてほしい所です。結果としては既に述べたように、わかりづらければ税関の書類審査に時間がかかり、許可までにそれなりの時間が必要になるという事を認識しておかなければなりません。

 

税関の申告書の審査をするのにも時間はかかりますし、代理代行業である通関業者がインボイス等に基づいた申告書を作成するのにも理解をした上での話なのでわかりづらいインボイスを見ての作成はやはり時間がかかります。

 

総じて関係者全てがわかりやすいと思える書類だとスムーズに通関は進められるとと思います。