ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

AEO業者について

比較的新しい制度ですね。

 

といっても2005年に採択され、順次2007年に輸入者から制度が始まり、通関業者も2008年から開始、もう10年以上前のことになります。

 

開始当初はどんなものかと左右を伺う業者もあったかと思いますが(今もあると思います)、税関から許可をもらった認定業者数は右肩上がりのようです。

 

良く「AEO業者って何?」と聞かれるのですが、ザックリ言ってしまうと品質(コンプライアンス)に優れた業者、ISOに似ているところがありますね。認定(許可)するのは税関で、取得までに相当な労力を使うと聞いております。

 

AEOを取得するとどうなるか?

対外的(営業的)には認知度が上がるので集客力の向上は見込めるかもしれません。今や海外の企業から「AEO業者である事、またはその業者を使う事」が売買契約に含まれる事もあると聞きました。

また取得業者内では社内体制の再構築により品質向上が図れたとか、見直しができたという声も聞きます。

 

それならば全ての業者が取得に向けて動いているのか?そうとも限りません。

 

特に中小企業では取得までと取得後の維持に相当の負荷がかかるように見えます。特に人的負担ですね。

 

税関側としては国際潮流もその向きになっているし各企業がコンプライアンス重視で業務を進める事について異論があろうはずがありません。率先して取得の意思がある企業に協力、アドバイスをしているようです。

また企業数を取得企業数を増やすために、取得後のベネフッィトを設定しているのですが……取得に躊躇している企業は、それがどうも労力や負担と釣り合わない、と見ているようです。

 

もちろん認定業者の意義、背景を考えてもベネフィットありきで取得しようとするのは感覚が少しズレているのですが、やはりそこは民間企業、ビジネス感覚なくして舵を切る事はありません。

 

個人的には二極化になるのではないかと思います。取得する業者としない業者。それぞれに背景もありまた棲み分けもできるものと思います。変な話ですが取得している業者には取り扱えない案件が、取得してない業者が取り扱うなんて事もあり得るからです。

 

顧客側としては取得している業者とそうでない業者の話を聞いて比較をして、納得した上で依頼されるのが宜しいかと思います。