ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

コンテナは誰のもの?

こう聞かれると「何をいまさら」感がありますが、状況次第では「え?」となる事があったりします。

 

我々現場にいる者は、「空コンテナの返却」については頭を悩ませています。

輸入コンテナの貨物を納品場所で降ろし、そのまま運送業者はコンテナヤードまで戻り返却場所へ返すのですが、その時にコンテナ(内)が汚れていたり破損していたりすると返却ができません。唯一「費用負担をする」という返事をした場合のみ返却ができます。(あとはその汚れや破損が日本側で起きたものではないという事を立証できた場合ですね)

 

問題はその費用は誰が払うか?という事です。例えばコンテナ内の汚れは、どう考えてもそのコンテナを運搬した運送業者ではない訳ですが……では誰が支払うのか……?

 

そもそもコンテナというのは冒頭で問いかけた通り、船会社のものです(一部荷主がコンテナを所有するというケースもあります)。現地の売手と日本側の買手の間で売買契約が成立し、商品を運ぶ手段として船を選択し空コンテナを借りて貨物を積み込み輸入国へ運びこむ訳です。

 

空コンテナを借りているのは輸出者であり輸入者である……綺麗な状態で返さなければいけない責任は両者にあります。

 

ですので良くある話ですが、コンテナを返却する際に汚れがあるため費用請求が返却場所からあるのですが、それを顧客に連絡をするとピンとこない担当の方もいらっしゃいます。ただ費用がかかるのは回避したいので払わない一点張りの回答しかなく、困るのは運送業者……。運送業者は次の仕事を控えてるのでここで足止めを食うと影響があります。運送業者に責任が明らかに無い場合は直ぐに返却させてあげたいと我々業者では思います。

 

例えば積んでいる商品が衣類関係で、コンテナの汚れが油汚れの場合……これは関連性がない……現地で積む時や元から汚れてたのでは……という推測もできたりします。そうすると輸出者との確認が必要になってきます。いずれにせよ運送業者の責任にはならない訳です。

 

コンテナで商品を持ってきている背景、そもそもコンテナは誰のもの?という意識を顧客側には持ってもらいたいと思います。