ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

ナックス

ナックスとは

国際貿易における、通関及び輸入の際の関税の納付などを効率的に処理することを目的に構築された、税関官署、運輸業者、通関業者、倉庫業者、航空会社、船会社、船舶代理店、金融機関等の相互を繋ぐ電子的情報通信システムである。正式名称は、「輸出入・港湾関連情報処理システム」(Nippon Automated Cargo And Port Consolidated System)

 

日常ナックスを使用していると、当たり前というか、あるのが当然、無くては困る、今更疑問に思わない存在なのですが、ナックスに関わらない業界/業者の方からしたら不思議、よくわからないという声を聞いたので改めて考えてみます。

 

思い返してみるとナックスは偉大だなと思います。ナックスは貿易振興の一翼を担っているのは間違いないです。

 

通関に関わる偏った話ですが、私がこの業界に入った時はすでにナックスは普及していましたが一部マニュアルの運用をしていた業務もありました。

 

今と比較してナックスでオンラインで輸出入申告をしている事を、昔はマニュアルで申告書を作成してわざわざ税関の窓口に提出をしに出向いていたわけですね。税関職員はその書類を全部審査していたわけです。納税もしかり。今は荷主口座、業者口座、延納等、申告と同時にオンライン処理できる訳ですが、昔は税関には収納課と言って、直接納税、または銀行で振り込んだ納付書を受け付ける窓口が、税関ラインの側にあった訳です。1件の輸入許可までどれくらい時間がかかった事か……

 

外貨の取り扱いもそうですね。昔は全てマニュアル申請、作成した書類を税関に審査してもらい判をついた書類を保税倉庫に持っていき……今はナックスの取り扱い業務コードでオンラインで飛ばしておしまい……。

 

コンテナの搬出もそうです。許可書をわざわざCYまで持って行きオペレーターの判をもらってそれを運送業者に渡したりと……

 

まだほんの十数年前です。劇的な変化です。

 

このような技術革新があったからこそこれだけ膨大な貿易の業務量をこなせるのでしょう。

 

ナックスは数年に一度更改され、その都度使いやすく改良されています。今後はもっと便利になっていくと思います。

 

また業界の外ですが、荷主である輸入者や輸出者がどれだけナックスを導入しているか良くわからないのですが業務の内容によってはメリットがあるはずです。それ程維持費もかかりません。日常的に貿易業務が発生している企業は導入を検討しても良いかと思います。