ひろさんの貿易・通関 雑記録

貿易、物流、通関に携わる会社員の呟きです。 輸出入業者や貿易通関実務担当者へ、ビザスクやココナラでコンサルもしてます。  

通関業者の客層について:その2

前回は通関業者の客層について通関業者と顧客との「ビジネス上」の関係という視点で区分けをして話をしてみました。

https://www.hirosanblog.net/entry/2020/02/09/065449

 

今回は「顧客が何を重要視して通関業者に委託をしているのか?」という視点で話を進めてみます。これは経験則によるものなので人によっては捉え方も違う事もあろうかと思いますので以下の話はご参考にして頂けたらと思います。

 

私が今まで実務をやりながら営業もやりつつ窓口対応をしていく中で、顧客が重要視をしていると感じるのは大きく分けると以下の2点

*コスト重視

*レスポンス重視

これは論を俟たないと思います。ただ顧客側でも窓口レベルでの意向とその上の階層の意向、会社全体の意向で若干ケースによって異なったりもします(立ち位置が変われば当然だと思います)。業務を進めていくうちに顧客側からの指示が変わったりもしますが上記の2点の考え方は大きく変わる事はないかと思います。

 

*コスト重視について

もともと原価計算をしっかり管理されている顧客に多い気がします(だからと言って、そうでない顧客はしっかりしてないと言っている訳ではありません)。

またその顧客の取扱商材に寄るところも多いように思います。薄利多売の商材であればコスト重視になるのは当たり前かと思います。

顕著なのが業務を進める上でいくつかの選択肢がある場合、コストで決める事。ある意味わかりやすく我々業者としても準備しやすいです。

納期が大きく損なわなければ、常に最安値で進めていく。他業者との競争という観点が無ければ対応はしやすいです。

 

*レスポンス重視について

このレスポンスという表現が曖昧ではありますが、ザックリ言ってしまうと「丸投げ対応可能か?」という事です。

本来であれば業者に委託をする前に、書類の準備や内容確認、スケジュールの各方面への調整、これらを終えているはずです。

このケースの場合は、まずは依頼をする。そして業者からの質問が来てから初めてイチから動き出すという事が多い気がします。全てのチェック機能や調整機能も委託をしてしまうという事ですね。業者が顧客を全てにおいてリードする。顧客側の窓口負担軽減。という事です。

問題点としては、業者側の担当者が経験が充分でないと難しい事。またこの手の業務内容は無償化になりやすい事です。

裏を返せば業務委託契約を結ぶ際にしっかりとヒヤリングをしておいて、それに基づいて必要人材を見当つけて、業務内容に照らして価格設定をする。そうしておけば会社としてクリアできます。

今の(物流)業者内の課題は、無償で全てをやりすぎる事。無駄な他業者との競争をしない、しっかりサービスをアピールする、これらが必要と思っています。

少し話がそれましたが、このレスポンス重視の顧客はしっかりと関係を構築できれば長くお付き合いできる顧客になり得ます。

 

 

前回と同じにはなりますがやはりここでも、まずは顧客が何を望んでいるのか?客観的に、俯瞰してどんなタイプかを捉えておく。そうすれば初動で間違った方向には行く事もなく誤解も生じにくい。

その後の業務も行いやすくなります。

 

個人的にはレスポンス重視の顧客の方がやりがいを感じます。全てを任される事で知らない事も知る事ができるかもしれない。その分成長できる。ひょっとしたら将来為になる事を吸収できるかもしれない。パフォーマンスが突き抜けてしまえば感謝もされるだろう。

辛い時があるとそのように考えて次に繋げてます。

 

ただどちらの顧客においても、良い悪いということではありません。

 

ちまたでは、価格で取ってきた客は価格で逃げられるとか、振り回される客は無駄が多いとか、聞きます。

顧客(企業)が、ではなくて担当者同士のコミュニケーションの問題もあるのかと思っています。コスト重視でもレスポンス重視でも、「とても助かったよ、ありがとう」「どう致しまして」ができるのであれば不満はかなり軽減できるのではないかと思います。そこには「企業=企業」の構図はありません。顧客窓口=業者窓口。

 

経営者であっても窓口担当であっても一対一のコミュニケーションはビジネスにおいてはとても大切だと思っています。